Translate

3.30.2015

夜、春の訪れ。






夜風が目にしみるほど冷たい。
しかし、冬の匂いは何処かへと姿を消し、次第に春の息吹を含んだ空気が漂いはじめた。
そんな、今この時だけ感じることの出来る、冷たい中に草花の鮮やかな匂いを纏った柔らかい空気を体中で感じながら風を切る。目一杯に息を吸い、身体の奥隅々にまで送り届ける。
なんて気持ちが良いのだろう!


そして今私は、自然と笑みが溢れてきそうなくらいの幸福感で満ちている。
何故なら、時を忘れて読み耽ってしまうような、例えるならばパズルのピースが気持ち良く綺麗に噛み合った様な、傍にあって心地の良い一冊の小説に出会えた。
すぅーっとなめらかに、体全体に何の障害物も無く染み込んでくるような感覚。
目に飛び込んでくる活字たちは、私の中で瞬く間に映像化・音声化されて
私は我を忘れて、まるで、本の中の愛おしい世界に旅に出たような気分になる。
久しぶりに、一日で読み切ってしまいそうなくらい熱中している。
出会えてよかったと、心の底から嬉しく、そして有難く感じられる小説のひとつになるだろう。




No comments:

Post a Comment